quatre septembre

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2月に読んだ本

忘れないうちにメモ。

眺めの良い部屋 E・M・フォースター

思ったより面白かった。この作家の、作家になろうとした動機が面白い。
→身の回りの人にすごいと言われたかったから。
わたしは小説家とは、何かを書くことによって表現しなければ生きていけない
切迫感をもった人だと思っていたけれども、こういうスタンスもありなんだなと思った。
動機のせいか、作品にたいしてとてもひいた視点をもった文章となっていて
とても読みやすい。ジェーン・オースティンもそのような視線を感じるけれども
彼女の場合はやっぱり書かずにはいられない情熱のようなものを作者自身の視線
に感じます。しかし、フォースターの場合はつねにひいている感じ。
しかも、人物造形がとても面白かった。特にこの作品の男性側の主人公とも言うべき
ジョージという人が本当に不思議で、これは作者の力量が足らず書ききれていない、
という印象をまったく受けず、本当になんだかよくわからない不思議な人物なんだなあと
感じられた。よくいえば、陰影に富む、というのだろうか。
とにかく最初は憂鬱そうだし、その後突然テンパりだし(そのスイッチが何故入るのかが
よくわからない)、いきなり衝動的な行動に出たかと思えば、上品になり
紆余曲折をへて、終章では突然赤ちゃんになってしまう。
驚くべき人。ありがちなヒーロー/王子様でないところが良い。
あと牧師もいいなあ。この小説の登場人物には、ステレオタイプではない生きた人間を感じる。

万物理論 グレッグ・イーガン

初イーガンなんですが・・・。うーん、うーん。微妙・・・。
出だしはとっても良かったのですが、メインの部分がいまいち。
死体を強制的に起こして捜査する話で、鋼鉄都市系にミステリ方面へ
転がるのかと思いきやそれはただの導入部でした。
本編は、もちろん理論というか物理的側面はまったく理解できないので
適当に読み飛ばしてみれば、結構派手なアクション物っぽい気もした。
主人公が謎の人間に接触されたり、変な病気になったり、捕らえられたり、
閉じ込められたり、1人で話つけにいったり、、、、こうやって書くと普通の
エンターテイメントみたいだ。間にがんがん打ち込まれている物理部分に幻惑されて
しまうのかすごい読みにくかったけど・・・なーんだ簡単じゃん、と今思った。
なので乗り切れないのは難しいせいだけじゃなくて、オチ部分が驚ききれないというか
びっくりし損ねたのが一番の原因だと思う。
そもそもオチのある話、だということすら書評を見ないと分からなかったぐらいですから・・・。
イーガンなれしてなかったせいなのか、はたまたそもそもの理解度が低いせいなのか。
これだけでは判断できかねるので次に進む。

ディアスポラ グレッグ・イーガン

イーガン2冊目。こっちのが万物理論よりはるかに難しいと思うし(内容じゃなくて小説的にね)、読むのにも時間がかかったにもかかわらず、はるかにSF的な面白さを味あわせてくれた。
やっぱり導入部の孤児の<創出>部分がすごい面白かった。この人の導入部は面白い。
今回はちゃんと本編にかかわる導入部でした。自我が芽生える場面とかゾクっときたし。
イノシロウとアトランタに行くところも面白い。ヤチマのイノシロウに対する感情は
さらに面白い。
しかし・・・肝心のトカゲ座の話(要するに本編)のほうに乗り切れない・・・。
この場合は、パオロという登場人物に対して感情移入できないというか、
思いいれがないのが原因かと・・・。だってなんかいきなり出てくるし。
魅力的じゃないんだもの、この人。
オーランドの子という設定をいかしきれていないのではないですか。
なんていってみたけれども、万物理論より全然こちらのほうがSFぽくて好き。
しかし一般的な評価では、万物理論のほうが全然評価が高いのですね。
(今月のSFマガジンの集計によると)
うーん。わたしの読み方がいけないのか。

魂の駆動体 神林長平

安心して普通に面白い。鳥肌は立たなかったけれど。
翼人部より人間部のが面白かったな。

ハイブリッド・チャイルド 大原まり子

イメージが豊穣だ。しかし、この文章は女の人が書いた文章だということを
まざまざと感じる文章だ。書いている人は自分のセクシュアリティを常に
意識しているのではないでしょうか。イメージが自在にあちこちを飛び回るせいなのか
とても途切れ途切れの印象を持ちました。特に「アクア・プラネット」。長編がかけそうな
ぐらいたくさんのエピソード、設定、人物が横溢していて散漫な印象。
しかし逆に贅沢でもあるな。これだけたくさんのものを惜しげもなく中篇に突っ込んで
あるのはすごい。あとからあとから何かがわいてくるように書いたのかな。

All You Need Is Kill 桜坂洋

軍隊だからしょうがないかもだけど、やっぱりふぁっきんふぁっきん言ってる会話は
苦手です・・・。
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by app_engineer | 2006-03-14 01:06 | 読んだ本
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日記というより週記


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