quatre septembre

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カテゴリ:読んだ本( 83 )

イーリアス/オデュッセイア

ダン・シモンズの「イリアム」を読みました。

普段は、できるだけハードカバーの本は買わないようにしているんだけど
特定作家の本しか買わないようにしているんだけど、
でもこれは文庫に成るのが待ちきれずに買ってしまいました。
去年、ハイペリオン読んで本当に読書の楽しさというのを味わえたから
その感動が(まだ!)覚めてないの。本当にすごい。

で、今回も、本当にすごかった。
前回(ハイペリオン4部作)は、過去のSFのガジェットをごった煮にしまくってものすごい力技で
まとめあげた、という代物だったけれども、今度はSF色は薄れて、はっきりとホメロスの
イーリアス(とオデュッセイア?)というモチーフをものすごい力でこねくりまわしたみたいな
代物でした。力技が共通。前回に比べてなんとなく陽の印象。コメディっぽい感じが
なくもない。でも面白い。でもSFじゃないなあーと思った。なんとなく。
わたしにとってのSFは少し不思議、なんだけど、少し不思議?とか思う暇も隙もなかった。
ボテロの彫刻みたいなイメージって言えばいいのかなあ、、、、ひたすらすごい質量だった。

すごいすごい言っているだけでまともな感想かけそうにないので
思ったことを箇条書きで。もう少し考えがまとまりそうだったら
もしかしたらまたなんか書くかもだけど。

・冒頭、2ページ目かなんかの「なんとかかんとかQTしてなんとかかんとか」という
文章を読んだ瞬間、翻訳者ってすごいと思った。多分この先、一生英語を勉強したとしても
この原文を訳せる自信がない。そもそも日本語でもよく分からない・・・。

・いま、わたしは、ホメロスの「イーリアス」を完全に史実だと認識しているんだけれども
それって、シュリーマンがトロイの遺跡を発掘したあとだからそう思うんだということに
今更ながら気がつく。「イーリアス」には、当たり前のようにギリシャ神話の
神々が出てくるんだね。そういうお話なんだね。だから誰もが作り話だと思っていたときに
シュリーマンだけは史実だと信じて発掘を行ったんだ。
確かに、シュリーマン以前だったらわたしも御伽噺だと思ったかも。
だっていきなり戦場に女神があらわれて、パリスを浚っちゃったりするんだからね。
神様すごい。

・でもさでもさ、「イーリアス」が史実だと証明されたってことはさ、例えば他の
御伽噺だと思われている逸話/神話ももしかして幾ばくかの真実を内包している可能性が
あるってことよね。例えば、天照大神が岩戸に隠れて真っ暗になっちゃった、
というお話を、わたしは完全に御伽噺だと思っているんだけど
実際は本当になんらかの天候異常で日照時間が異様に少なくなったりして
各地でお日様ごいの踊りとか何とかやりまくったら天候異常がなおっちゃったような
気になった、とかぐらいの話は本当にあったのかもしれない。
火のないところに煙は立たない、とかいう話かしら・・・。

・神様の数え方って、1柱、2柱ということを初めて知った。
ひとはしら、ふたはしらって言うのかな。人間じゃないから、ひとり、ふたり、じゃないのね。
当たり前だけどすごい。でも神様が人型をしているっていうのが
なんだかなー。人型しているならひとりふたりでもいい気がする。
人型じゃない神様のが神様っぽくいいな。

・木星のモラヴェック、イオのオルフがプルースト好きなので
ちょっとプルーストを読んでみようかな、とも思った。
ダン・シモンズのすごいところって、ありとあらゆる要素を詰め込みつつ、
その要素をどれも魅力的に使うから、その使われた要素そのものにもすごく
興味が沸くんだよね。ハイペリオンのときも、ジョン・キーツがすごく気になったし。
ダン・シモンズは、教師だったんだけど、こういう先生ってすごくいい先生だったんだろうな
って思う。彼が紹介するものに興味を持たせることができるなんて。

・キャリバンがちょっとシュライクに似すぎている気がしないでもないです。

・アカイア勢(ギリシア側)とトロイア勢だったら、なんでかしらないけれどわたしは
トロイアの味方なんだな。オデュッセウスは好きだけど、アキレウスはちょっと短気すぎる
気がするし。ところで、トロイア勢の名前のが覚えやすいのは、ローマを建国したのは
トロイアの生き残りだったらしく、要するにラテン語っぽいのがトロイアのほう名前だから
だよね。今現在の言葉に近い気がする。ギリシャ語よりも。

・いままで点でしか理解していなかった人々の関係がよーく分かった。
アガメムノンはメネラオスのお兄さんで、トロイのパリスに浚われたヘレネは
メネラオスの妃。パリスのお兄さんが、トロイの将軍ヘクトルで、ヘクトルの奥さんは
アンドロマケー、カッサンドラはヘクトルとパリスの兄弟で、トロイが滅ぼされたのち
アカイア勢によって連れ去られてアガメムノンの奴隷にされるけれども
アガメムノンの妃クリュータイムネストラーによって殺されちゃう。
アガメムノンもクリュータイムネストラーに殺されちゃう。
それを恨んだアガメムノンの子オレステスは母親を殺しちゃうわけだ。
(これはイーリアスの後日談だよね)
みんな親戚だし、みんな兄弟だし、みんな殺しあうわけで敵味方に
分かれているけれども複雑に絡み合っているなあ。

・本家本元の「イーリアス」が読みたくなって丸善にいったんだけど見つからなかったので
店員に「ホメロスのイーリアスってどこにありますか?」って聞いたら
「『ホメロスのイーリアス』という本ですか?」とか聞いてくるから
「ホメロスは作者です!」と軽く憤慨してみたんだけど、
しばらくしてから「ありません」とか言うから今度は本気で驚いて
「そんなわけはない」といって何で検索したのか書かせて見たら
『イーディアス』で検索してた・・・。
・・・。
・・・。
そんな書店員いていいのかしら・・・。
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by app_engineer | 2006-09-20 01:55 | 読んだ本

結婚と登山

そういえば、

スイートリトルライズ(江國香織)とクライマーズ・ハイ(横山秀夫)
を読んでいたのだった・・・。


えくにかおりは相変わらず、結婚生活についてのごちゃごちゃとした
よく分からない憂鬱な話。
そして相変わらずこれは彼氏が買ってきた本。
もういい加減ただだというので読むのをやめようかと思った。
いくら温厚なわたしでもだからどうしたの?といいたくなるよ。
結婚してるとこういうのが実感としてわかっちゃったりするの?
やだなーやだなー。一生分かりたくない。
出てくる人がみんな嫌だなあ。唯一津川さんがましだと思うんだけど
なんかかわいそうだった・・・。

クライマーズ・ハイは初横山秀夫もの。
日航機墜落事故の話。
といっても事故そのものというよりも、その状況下における
ローカル紙の話。会社組織ってこんなにままならないものだっけと思うほど
理不尽な状況のオンパレード。そしてそんなに理不尽な会社のほうが
まだ安らげてしまうという冷え切った家庭の話。
でもこれはちょっとリアリティがあった。信じられないけれど、こういう会社があって
こういう家庭はきっと日本のどこかにあるんだろうな。というかいっぱいあるんだろうな。
動物園で檻ごしに動物を見ている感じ。自分の実感として、こういうことがある、とは
思えない/思いたくないけれど、自分の周りの世界には確かにこういうことも
あるんだなと思いました。

でももう読まないと思う、横山秀夫。

今はイリアムを読んでます。ダン・シモンズの。
久しぶりに頭を使わなければ理解できない本を読んでる。
脳の中の使ってない部分を働かせている感じがする。
楽しいな。読書ってこんなものだよね。そういえば。
最近、頭使わないで読める本多いといまきがついた。
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by app_engineer | 2006-08-31 11:58 | 読んだ本

flutter into life

b0048616_12393368.jpgスカイ・クロラシリーズの4作目。
森博嗣 「フラッタ・リンツ・ライフ」
相変わらず美しいので画像を載せてみます。
前3作はこちら
(ちなみにこのときの感想は非常に恥ずかしい。でもこのシリーズを読むと
こういう文章が書きたくなっちゃうんだよ。そういう病。)



最初に、the sky crawlersを読んだとき、それはもちろん面白かったんだけれど
どちらかというそんなに特別なものではなかったのね。
装丁の美しさに惹かれたという部分が大きかったのかも。
もちろん、戦闘機が大好きなわたしとしては
飛んでいるときの描写にはほんと溜め息が出たし。
印象的なフレーズもいくつかあった。
特に表紙に書いてあるやつ。↓

僕はまだ子供で、
どきどき、
右手が人を殺す。
その代わり、
誰かの右手が、
僕をころしてくれるだろう。

だけど、そこで終わっちゃったんだな。
その証拠に、次の年に「none but air」が出たときに、買わなかった。
出たことを知っていたけれども、そのとき森博嗣のほかの本に軽く失望していた
せいもあって、もう読まなくてもいいやと思ってしまった。
それが、去年「down to heaven」が出たときに、やっぱり美しい表紙が
どうしても欲しくなって、none but airと一緒に買った。
それが出会い。それが去年の6月。
それ以来、6月が待ち遠しくてたまらない。(このシリーズは1年に1度、6月に刊行される)

none but air と sky crawlers の違いは、それが
草薙水素の物語かどうか、なんだと思う。
彼女の人生の物語。
2作目、3作目、4作目、とどんどん狭くて悲しいほうに滑り落ちていく話。
終わりは1作目に提示されているから知っている。
来年の6月に終わっちゃうんだな。
最後の表紙は何色だろう。
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by app_engineer | 2006-08-26 12:53 | 読んだ本

砂漠に水を撒くみたいに

プロジェクトが終わったら、暇になるかと思ったら思ったより暇にならなかった。
結局今も仕事してるし・・・。でも、やっぱり毎朝定時にいかなくてもいいと思ったら
気持ちにも時間にも余裕ができるんだなあ。

というわけで、なんか砂漠に水を撒くみたいに本が読みたくて
本が体に染み込むみたいにすごい勢いで本読んでる。

終戦のローレライ

前回は2巻。今回は3,4巻。しり上がりに読みやすくなってきました。
講談社はどうして1巻をあんな薄い感じで分冊したのかなあ。
あの1巻がネックだな。あいかわらずイデオロギー的には?なところはあるけれど
(?というか、なんというか右とか左とかそういう概念ではなく激しく傾いているような・・・)
それは読み流すべきなんでしょうか。
あとね、映画の原作という性格上しょうがないのかもしれないけれど、
そして、福井さんだけの話じゃないんだけどさ、
おじさんが死んで、若者が生き残るというパターンの話はもういいという気分になりました。
たまには若者が死んだ方がいい気がする。
現実世界はそんなうまいこといかなくて、おじさんばかり生き残って
若者が死んじゃうから、小説の中だけでも夢が見たいって事なのかしら・・・。
いずれにせよ甘すぎる。

彼女が彼になった理由

友達が貸してくれた本。
これが思ったよりすごーく面白かった。
親知らず抜きに来た25歳の男が、病院の手違いで勝手に性転換手術
うけさせられて、麻酔がきれたら女になってたっていう話。
結局なんだかんだいろいろとありつつ全体的に明るいトーンでハッピーエンドなんだけど
もし、これが逆のパターン(女がかってに男にされた)だったら
ここまでハッピーにはいかなかったんじゃないの?と思ってしまう。
今の世の中、女の子のほうが生きやすい気がする。わたしが女だからかな。
女は起こることを受け入れて本能のままに生きていける気がするけれど
(受身って意味じゃないよ)、男は、男に「なる」ってことが要求されているような
気がするー。傍から見ているだけだけど。
ボーヴォワールは女に生まれるのではなく、女になるのだって言ってたけれど
わたしはまったく逆に感じているということなんです、きっと、、、多分。。。

号泣する準備はできていた

今朝起きて、ベッドの中で読んだ本。
こういうのを読むたび本当に結婚したくない、と思ってしまうわけです・・・。

フラッタリンツライフは別項で。
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by app_engineer | 2006-08-23 14:26 | 読んだ本

ファンタジー、推理、SF、純文学、エンタメ。

久しぶりに読んだ本の更新。
前と比べて全然読んでいないけど、ほそぼそと地味に読んでいます。
ここ最近読んだのをまとめて感想。
ジャンル分けにあまり意味はないけれど並べてみると雑食ぶりが際立つね。

マイケル・ムアコック「この世の彼方の海」(ファンタジー)

メルニボネシリーズの第2作。
前回を買ってみたので惰性で買ってみたのはいいけれど・・・
うーん。うーん。不快なところは何もないのに、読み進めるのが非常に辛い。
読み進めるドライバになるものが何もない・・・。
なーんでだろうなあ。わたしの大嫌いなサラリーマンの妻@団地小説や
純愛小説は不快さはこれに比べようもないけれど、読んじゃうんだよね。
不快さがドライバになっている。
そういえば、ついにサイモリルを○○してしまったところのあっさりさに
すこし驚いた。この場面を見たからもうこのシリーズは読まなくてもいいや・・・と
思いました。この主人公は嫌いじゃないし、別に自殺を推奨しているわけではないけれど
なんでこの人は生き続けるのだろうか、、、というのがよく分からない。
ようするに彼はメルニボネ人らしく、すごくエゴイスティックで傲慢なのかなあ。
そういえば、メルニボネの貴族の恋愛話はちょっと面白かった。
でももう読まない!

有栖川有栖「乱鴉の島」(推理小説)

これは上のに比べると異常なまでに読みやすい。
2時間以内でさくっと読める。
これって推理小説なのかなあ・・・・?
推理小説ってこういうのだったっけ・・・?
まあ読みやすいので良いです。
しかし買う必要はないのかな・・・。でかいし。

グレッグ・イーガン「しあわせの理由」(SF)

今年から手を付け始めたグレッグ・イーガン。
今までに「万物理論」と「ディアスポラ」と2冊の長編を読んで、初めての短編集。
万物理論の第一印象は、はっきりいうといまいちで、でも読むのをやめようとは思わず
ディアスポラで希望の光がすこし見えてきて。
で、これを読んで初めて「グレッグ・イーガン読んで良かった!」って実感できた。
どれもすごくレベルの高い作品ばかりで、今まで感じたことのないぞくぞく感を
味わえた。特に、最初の二つで確信。
「Apporopriate Love」で表現されていることの気持ち悪さってすごい。
こういう気持ち悪いことを想像できるのってすごい。わたしがここまで気持ち悪いのって
わたしが女だからか、と思ったけどどうなのかな?
グロくはないと思うのだけれど、駅で思わず読み進めることができなくて
本を閉じてしまいました。
二番目のタイトル忘れたけど、中に入っていく人の話も、理論と現実?の融合具合が
スムーズで、量子論の比喩として読むとそのスケッチの美しさが余計際立つな。
どれも本当にきれい。やっぱりSFが好き。

よしもとばなな「SLY」(これ純文学・・・?)

ジャンルがよく分からないけれど、一応ここ。
スピリチュアル方面に舵取り後のよしもとばななさんは
いまいちなのだが、でも読みやすいことには変わりないよね。
そしてこの人の小説ってみーーーーーんな同じような雰囲気。
同じような人たち。でも実を言うとこういうのは嫌いじゃないです。
小説として面白いかどうかよくわからないけれどこれもまた
異常なほどの読みやすい。というかじっくり読む必要性を感じない・・・。
流し読みで20分ほどで、でも雰囲気は楽しめました。
ちなみにこういう本買うのはわたしの彼氏。

福井 晴敏「終戦のローレライ」(エンタメでいいよね・・・?)

会社の後輩に借りた本。
同じ作家の「亡国のイージス」は思想の偏りがすこおし気になるものの
それなりに面白く読めたんだけど、これは読むのがちょっと難しいな・・・。
なんか日本語が下手なのかと思って、イージスの前に書いたのかと思ったんだけど
どうもこっちのが後っぽい。映画の原作として書いたことによる不自由さが原因なのか、
時代設定が過去になった+戦争下という状況のためか、説明口調が
多いのが気になります・・・。
まだ2巻なので、ちゃんと読んでからまた。


なんか、これ以外にも彼氏に借りて超不快な本を読んだ気がするんだけど
あまりにも不快で忘れてしまった可能性が大です。
あと読もうとして残っているのが、「愛の続き」(イアン・マキューアン)、
「フラッタ・リンツ・ライフ」(森博嗣)とか、ノンフィクションものでいくつか。
あーそれに例の英語のあれ・・・。
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by app_engineer | 2006-08-08 21:04 | 読んだ本

ティモレオン

またまた英語の本からの逃避。
評判が良くてずっと読みたかった、ダン・ローズの「ティモレオン」が文庫オチしたので
読んでみました。

(ちょっとだけネタバレあります。読みたいと思っている人は読まないほうがいいかも)

孤独な老人コウクロフトが飼っているかわいらしい雑種犬ティモレオンが
邪悪な(この言葉は新刊時の書評で本当に使われていた)ボスニア人に
追い出されるまで、と追い出されてから家に戻ろうとする話。

というのは、事前情報として知っていたんだけど、
そして本当にその通りの話だったんだけど!!
ことごとく予想というか、常識を外していくストーリーがおかしかった。
interestingというよりも、funnyというよりも、strangeなおかしさね。

そもそも、冒頭から、コウクロフトがオーストリア人の恋人を思い出している部分で
「オーストリア人は口ひげがあって」という描写があったので
「ああ、ヨーロッパ人の女の人って無駄毛のお手入れしない人いっぱいいるよね~」
とか読んでいたら、数ページ後に「???」となって
暫く読み進んで、やっとコウクロフトがばりばりの同性愛者だということに気がつきました。
そういうのって瑣末なことだから全然描写されていないんだよね。
そしてそれはほんとうに瑣末なことなのでそれでいいと思う。
だからわたしは自分で思うより常識に捕らわれているんだろうなって思った。

●古くから語り継がれている伝説の恋人同士は、HappyEndingで結ばれるべきという常識
●先進国の男と発展途上国の女のカップルには悲劇的な結末が待っているという常識
●ずっと看病していた親は難病の娘の臨終の瞬間に立ち会えるという常識
●さえない老境の男は、若くて美しい恋人に捨てられるという常識
●飼い主探して三千里の犬は最後でついに最後に飼い主に再びめぐり合えるという常識

そういうのをすべて裏切りながらも、悲惨にならない。どこか緩い幸せ感の漂う読後感。
そういう一杯のエピソードと、不思議な感慨をいだかせることよりもなによりも、
犬の描写のストイックさに作者の非凡さを感じました。
素人は言われて初めて気がついたよ。
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by app_engineer | 2006-06-06 13:21 | 読んだ本

yanderu!

久しぶりに「読んだ本」カテゴリでの日記。
本を読んでいないわけではなくて、4月25日以来えんえんと一つの本を
読んでいるからです。読み終わったらそっちは書くつもり。

ところで、えんえんと読んでいる本は英語の本なので
久しぶりに日本語の本を読みたくなって彼氏の本を取り上げて読みました。(ジャイアン)

山本文緒の「群青の夜の羽毛布」(タイトルうろ覚え。あってるかしら?)

それにしても、彼はどうしてこういう本を読むんだろう・・・本当に不思議。
山本文緒の本は以前に彼に借りたやつを含めて2冊目ですが・・・
感想は前と一緒。「病んでる!」
しかも、病み(闇?)具合がエスカレートしている。

怖いよう。本当に怖い。最初から怖いし。最後まで怖い。
出てくる人がほとんど怖い。カテゴリ的にはホラー。
でも一番怖いのは、この本が売れたという事実だと思いました。
本上まなみ主演で映画化されたよね。ということは、それだけこの本が
マスに訴求する力を持っていたということだよね。
この病んだものが人口に膾炙しているという事実が一番怖い。

どうして自分に優しくするのに、他人には優しくできないんだろう。
一人で生きていけない、と思うなら、他人を頼る前に
どうして一人で生きていくようになるための努力をしないんだろう?
他人という不確定な要素よりも、自分のことのほうがよっぽどコントローラブル
だと思う。本当に不思議。
わたしが考えたのは、安定したいのではなく他人とかかわりあいたいのだろうな、
ということ。安定したいんだったら一人で生きていく方がよっぽど楽だと思うな。
でもそう思ってしまうわたしのほうがyanderu!のかもしれない。
合理性という病。
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by app_engineer | 2006-05-31 19:30 | 読んだ本

また忘れてた

わすれてた本を思い出しの追記。

夢見る宝石 シオドア・スタージョン

昔仲良かった先輩がくれた本。この本を面白いって言った彼のことを
とても好ましく思ったものでした。
読んでみて、面白かった。
スタージョンは不思議な感性だな、と思った。
SFだよ、SF。SukoshiFushigiだよ。

タイタンの妖女 カート・ヴォネガット・ジュニア

スローターハウス5でぐっときたヴォネガット。超ヴォネガット調だったけど
スローターハウスのほうが好きかな。
この話は、全体に面白いけれど、最初の方が面白くて最後に行くにつれ段々トーンダウン。
一方、スローターハウスは最初低調で、最後にむかってがーっと盛り上がる。
ウィンストン・ナイルス・ラムファードという人物がすごく魅力的だ。

追記:
ウィンストン・ナイルス・ラムファードのどこがいいかと思ったかというと、
「他人が血を流すことについての穏やかな熱狂」(うろ覚え)がある、といった描写に。
こういう人いるよねーって思った。ああ、面白い。こういう人っていっぱいいると困るけれど
小説の登場人物としてはかなりの上玉だよ。

ものすごく要約すると、「幸せはあなたの傍に!」とかそういう話なのかなあ・・・。
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by app_engineer | 2006-04-25 00:19 | 読んだ本

また間があいちゃった。

間があきすぎて何があったか忘れちゃったよ。
ジムとヨガと仕事とピアノと麻雀と飲み会とプラネタリウムぐらいしかしてないよ。

忘れないうちに最近読んだ本。

・カメレオンのための音楽 トルーマン・カポーティ

おととし買って読みかけてた本、やっと読めた。表題作が秀逸。

・猶予の月 神林長平

去年も読んだけどまた読んで見た。2回目だけどやっぱり難しい。

・アムステルダム イアン・マキューアン

面白かった。この人の文体好きかも。

・ニューロマンサー ウィリアム・ギブスン

この本こそ、カート・ヴォネガット・ジュニア以上にずーっと読みたいと思ってた本。
中学生のとき以来かなあ。20年以上前の本なので、既知となった概念が
いっぱい出てきているけどそれでも難しかった。理解せずに読みすすめたけど。
マトリックス(映画)を見た上でもそうだったんだから、これを最初に読んだ人は
どんな気持ちがしたんだろう。そして最初にこれを想像した人はすごい。
未来を想像するってこういうことか。
あまりにもよくわからなかったけど、勧善懲悪の話じゃないところも良かったな。

あとなんか読んでたかもしれないけれど忘れちゃいました・・・。
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by app_engineer | 2006-04-22 12:02 | 読んだ本

when we were orphans

会社の隣のカフェで読みきった本。

カズオ・イシグロ の 「わたしたちが孤児だったころ」

第一次大戦前、1930年代の上海から始まる租界育ちのイギリス人の話。
カズオ・イシグロって名前はよく知ってたし、「日の名残」は映画で見たけど
読むのは初めて。この本は、ハードカバーで出版されたとき、多分2001年ごろに
日経新聞の書評で取り上げられてそれ以来ずーっと読みたかったんだけど
やっとハヤカワepiで文庫落ちして読めました。

書評で読んだときは(といっても5年前の話だから曖昧だけど)
「探偵小説」というふれこみだったけれど、これは探偵小説じゃないなあ。
単に主人公が探偵なだけだ。彼の両親失踪という「事件」や、
彼が仕事として調査している様子の描写はあるけれども、
読者に事件そのものや、探偵としての彼に対する印象を喚起させるような描写が
まったくないもの。彼は調査を行っていても、そして探偵になりたい、という欲求を
もっていても、「探偵」として生まれついた人ではなくて、
彼自身の上海でのバックグラウンドが彼に探偵という一色彩を与えているというだけで
やっぱり全ては当時の上海、というものがメインの部分なんだろうな、と思った。

これを英語で読んだという友達がいて、「全然分からなかった」といっていたけれども
それは英語の読解力のせいじゃないと思う・・・。日本語で読んでもよく分からなかった。
わたしがよく分からなかったのは、主に彼の両親が失踪した事件にまつわる部分なんだけど
最後で事件の全容は明らかになるけれども、中盤において何故主人公が
そう思うのか、という部分が全然理解できなくて彼が何を求めて何をやっているのかが
さっぱり分からなかった。しかしこれは当時の上海の様子や、世界情勢、イギリスと
中国と日本の関係についてよっぽど深い素養がない限り、分からないだろうなあ
と思った。

具体的には、

○何故彼が両親は生きていると思ったのか
(常識的に考えると誘拐事件というのはすごくリスキーな犯罪で人質を生かしておくのが
ものすごく難しいので、事件後10年以上たっているのに主人公が両親が生きていると
思う根拠がまったく分からない)
○サー・セシル・メドハーストは上海で何ができると思ったのか、何をしたのか
(これは主人公もだけど、一介の政治家や探偵が、大戦に向かっていくような国際情勢の
中で一体全体何を救うことができるのかよく分からない。状況を救う為に、世界のために、
という大義名分を小説中の人物はよく言うけれども・・・)
○モーガンが突然昔暮らしていた家に連れて行くあたりもつながりがよくわからない・・・。
イギリス人である、というだけで、かつて住んでいたいたというだけで家をいきなり(今もそして当時も)所有権のない他人に返したりするものなの?

のあたりが非常に気になる。
というわけでわけが分からないままにそれでも先を読まずにはいられない魅力がある。
それはすべてやっぱり1930年代当時の上海という街の魅力なんだろうなあ。
その街の中で彼らは喪失し続けることしかできないように思えた。
なくして、なくして、もうその後の人生もなんかが空虚というか欠落したままというか、
失われ続けることは終わらない気がする。
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by app_engineer | 2006-04-04 03:38 | 読んだ本
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日記というより週記


by app_engineer
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